ローラさんが沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設について埋め立てに反対の署名を「インスタグラム」で呼びかけました。
多くの「アッパレ」の声の一方で、「モデルのくせに」「対案を出せ」といったネットの書き込みも多いそうです。
芸能人の「政治発言」はいけないことなのでしょうか?
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「ローラ発言」で考えるべきことは2つ
ローラさんがインスタグラムで沖縄の辺野古移設反対を呼び掛けたことが波紋を呼び続けています。
ローラさんのフォロワーは520万人だそうで。
すっごいですね! 反響もハンパじゃないですね。
みんなで沖縄をまもろう!
たくさんの人のサインが必要なんだ。
美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることが出来るかもしれないの
名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう
これがまぁ売名行為だの頭がお花畑だの、タレントの政治発言だのCMは降ろされるのかだの、
とにかくあちこちで”炎上””爆発”が起きているようです。
で、なぜ”炎上”しているのかといえば、”火種”は大きく分けて2つあるように思います。
- 沖縄のことをどれだけ知って(考えて)いるのか?
- 芸能人が”政治的発言”をすることについて
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「ローラ発言」をきっかけに「沖縄」を真剣に考える
ローラ発言については色々な人が色々なことを言いますが、多くの人が「沖縄基地問題」、「沖縄問題」を考えるきっかけになれば、それは良いことだと思います。
ただ、ローラさんの「みんなで沖縄をまもろう」がどの視点に立っているのかはまったく不明ですね。
おそらく、とっても純粋に、単純に「自然を破壊してはいけない!」と思っただけなのではないかと思うのですが。
沖縄はそもそも埋め立てで発展してきた、とも言える所で、自然保護?今更?的な感じです。
沖縄の美しいビーチも、那覇空港も埋め立てです。
沖縄の面積は、昭和63年~平成25年の26年間で約13.91平方キロメートル増えています。
これは東京ドーム297個分に相当するそうです。
だからこそ新たに辺野古の自然を壊さなくても、と言うならそこにもありますが、それなら沖縄に限らず、おおよそ自然破壊につながる世界中の、せめて日本国中の開発に反対しなければなりません。
それに辺野古は既存の「キャンプ・シュワブ」を拡張するのであって、ゼロから埋め立て・建設をするのではありません。
一番近い住宅地からも1.5キロ離れています。
普天間基地は、1945年(昭和20年)の沖縄戦の最中に米軍の支配下で強制的に接収、建設されました。
周辺住民は強制的に退去させられましたが、戦後、むしろ退去させられた住民が基地周辺に戻って来て集落が出来、学校も病院も出来たのです。
ただ、通常設けられる「緩衝地帯」がないので基地のすぐそばに住宅などが建設されてしまい、危険な状況になってしまいました。
普天間基地は「世界で一番危険な飛行場」と言われるほどです。
この危険度や騒音問題に加えて1995年9月に起きた「米兵少女暴行事件」が追い風となり、いよいよ米軍基地縮小や基地移設が検討されました。
2012年に”移転先は辺野古”と、事実上決まるまでの道のりも険しいものでしたが、2014年の移設工事着手後に移設反対の翁長県知事が国を訴えた(国が勝訴)ことで「沖縄県 VS 国」の対立が決定的になりました。
裁判で勝った「国」(政府)は2016年11月に工事を再開しますが翁長知事の「埋め立て承認撤回」などがあり、工事は進んでいません。
現在の玉城デニー県知事は翁長前知事の遺志を継ぐと言って国と対立の姿勢を崩さず、2019年2月24日には「県民投票」を行い、「移設の賛否を問う」としていますが、2018年12月現在、宮古島市と宜野湾市(普天間基地がある)が辞退しています。
「沖縄基地問題」は本当に複雑です。
「基地」はそもそも必要なのか、「県民の民意」はどこにあるのか、日本国民として考えなければならないことがたくさんあります。
簡単なことではないけれど、日本国民全部がもっとちゃんと見て、考えなければならない最重要課題だと思います。
お隣中国は南シナ海を自分のモノのように好き勝手をしていますが、2014年~2015年のたった2年で西沙諸島、南沙諸島で約12.9Km2を埋め立て(東京ドーム275個分!)、軍事目的に利用しうる各種インフラ整備を進めています。
西沙諸島の領有権は中国の他に台湾、ベトナムが主張していますし、南沙諸島の領有権は中国の他に台湾、ベトナム、フィリピンなどが主張しています。
写真 (防衛省「南シナ海情勢 (中国による地形埋立・関係国の動向)」
http://www.mod.go.jp/j/approach/surround/pdf/ch_d-act_20180202.pdf
中国は、当初は否定していましたが最近は「軍事防衛強化が目的」と認めています。
こういうことがあるから日本は、特に沖縄にはやはり基地が必要だということ。
沖縄は日本の防衛上、重要な拠点です。
安保があろうとなかろうと、基地があろうとなかろうと、世界やアジアの情勢、日本の地理からしてこの点はもうどうしようもなく事実です。
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「ローラ発言」をきっかけに「芸能人の政治的発言」を真剣に考える
かの有名な高須クリニックの高須院長が自身のツイッターに「僕なら(CMを)降ろします」とつぶやいたそうで。
これに対してウーマンラッシュアワーの村本さんが噛みついて、「高須クリニックのCMには絶対出ない」と言ったら高須院長は「ウーマン君を使っても企業イメージが向上しない」と言ったとか。
それはまぁ関係なくて、全然良いのですけど。
論点となっているのは、「芸能人が政治的発言をするのはどうなのか」。
これは賛否両論ありますが、そのTPOに応じて正しくもあり間違ってもいるのかなと思います。
例えば企業側からすると、CMに出演するということは高須院長のおっしゃる通り、「企業イメージ」を向上させなければいけないんであって、その発言が企業理念と正反対だったり、ライバル社を応援することになればそれは契約を切られますよね。
でも、社会活動に貢献する良いイメージにつながればOKとか、つまりTPOに合っているか、です。
しかし契約打ち切り覚悟で信念を貫く、なんていう場合はどんどんやれば良いし、社会に参加することは悪いことではなく推奨されるべきです。
基本的には芸能人に限らず「有名人」はその影響力が大きいということを意識して発言しなければならないと思いますが、「政治的発言」はどんどんすれば良いのではないでしょうか。
というか、すべきではないでしょうか?
だって、その「影響力」はその人に特別に与えられた「力」ですから。
社会のために、日本のために、世界のために、地球のために使いましょう、使って下さい!
ただでさえ日本の「生産年齢人口」が減っていて、おまけに「政治に無関心」が増えているんですよ。
若い人に人気だとか、若い世代の知名度が高い人がどんどん政治的発言をして、その問題を考える人がどんどん増えれば良いと思います。
それが「入口」です。
どんな入り口でも、切り口でも、そのことを真剣に考えようとすればするほど「問題の本質」に近づき、「物事のとらえ方」を学ぶはずなんです。
そうして社会が、日本がより良く変わってゆくとしたら、素晴らしいことですよね。
だから国民的に有名でなくても、クラスの人気者とか逆に問題児とか、会社の好かれるチームリーダーとか、とかく注目されがちな人はどんどん口に出して色んな事言ったら良いと思うのです。
ローラさんも、必要最低限の言葉で問題提起をしましたね。
頭がお花畑のローラさんは「ふてんま?なにそれ~」と言ってたとか、高木美保さんが芸能人のタブーを破ってあっぱれだと絶賛してたとか、テリー伊藤さんやデーブスペクターさんや、まぁありとあらゆる「反応」が起きていますが。
そんなことより「沖縄」のことを考えましょうよ。
沖縄県民の方から「普天間の住民はどうなるの」という悲痛な訴えもありました。
ローラさんの発言がなぜ「ホワイトハウスの請願サイト」で署名を集めるとキケンなのか、
「サヨク」や「プロ市民」に利用されるとはどういうことなのか。
ローラさんが「傷だらけのローラ」にならないことを祈ります。
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