精霊馬(しょうりょううま)はご先祖様があの世とこの世を行き来するための乗り物です。
もちろん、牛は精霊牛ですが、総称して 精霊馬 と呼びます。
事前にまたは迎え火までに きゅうりで馬、なすで牛を作り16日の最終日、送り火とともに、または送り火が済んだら川へ流す、処分するというところが多いと思います。
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精霊馬とは
馬と牛の意味は、迎え盆の日に足の速い馬に乗って早く帰って来られるように
送り盆の日には牛に荷物を載せ、ゆっくりお帰りいただくためにということだとされているのが一般的です。
いつ用意するの?
ところが、精霊馬を作る日も解釈も違うことがたくさんあります。
- 13日のお盆の入りまでに用意する
- 13の朝に作る
- 16日の最後の日、供え物のきゅうりやなすで作り供え物と一緒に川や海へ流す
- 来るときは丁寧に迎えるために牛を作り
- 帰るときは早く帰れるように馬を作る
- なすの牛しか作らない
- きゅうりやなす以外でも作る
- 藁(わら)や真菰で作る(出来ているものを買う も含める)
- 精霊馬は作らない
などなど。
各地域や各家庭によってさまざまのようです。
お盆近くなるとスーパーなどに籠盛りなどと一緒にわらで作った精霊馬がたくさん出てきますね。
暑い盛りですし、忙しいですし、これも便利で良いと思います。
作り方は?
作り方は簡単です。
きゅうりやなすに足を付けるだけです。
足は、おがら、割りばし、マッチ棒などを使います。
馬にしっぽを付ける時はとうもろこしの”ひげ”を楊枝に絡めていい具合のところに挿します。
ポイントはきゅうりもなすも、それらしく見える曲がり方をしていてちょっと小ぶりのものを選ぶ、ということでしょうか。
最近の野菜はとてもまっすぐで美しすぎるのでこういう時に困ります。
私は近所に農家さんが採れたてを並べている市場があるのでそこで いわゆる B級品? を買います。
出来上がりを考えながら選ぶのもまた楽しいですね。
我が家はフツーにシンプルな精霊馬ですが、大人も子供も一緒になってこんなに楽しい精霊馬作りをしている方々もいらっしゃいます。
トランスフォーマーみたい、カッコイイ精霊馬!
レゴで出来るの?可愛くてスマートな精霊馬!
アイディアですよねぇ、オブジェ精霊馬!
心を込めて手間かけて。テクニカル精霊馬!
供え方は?
供え方も色々です。
- 迎え火、送り火の時にかたわらに置く
- 盆棚やお仏壇に供える時は
- 来るときは内向きに、帰る時は外向きに
- きゅうりは西向き、なすは東向き
- 東から来て、東に帰られるから
- 玄関に向ける
などなど色々あります。
我が家は盆棚か仏壇に、向きは気にせず置いています。
忘れてならないのが ガマの穂。
行き帰りに使う杖になるのだそうです。
時期になるとお花屋さんで求めますが最近はなかなか手に入らないのが残念です。
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お盆が終わったら
- 精霊流し(しょうろうながし)
- 灯籠流し(とうろうながし)の習慣のある地域ではこの時に一緒に川や海に流す
- 近年では環境保護のため回収作業などが必要で狭い範囲で行ったりするところもある
- 送り火の時に一緒に燃やす
- お寺に納めて焚き上げていただいたり、処分していただく
- 最近はお寺さんでもお受けできない素材のものなども
あるそうです
- 最近はお寺さんでもお受けできない素材のものなども
- 塩で清めてから半紙または白い紙に包み地域の指定に従い処分する
精霊馬も地方によって、環境によって、時代によってさまざまですね。
いずれもご先祖様を畏れ、敬い、また故人への愛情にあふれた温かいご供養であることに違いはありませんが、ご供養にまったく逆の解釈があると言うのも面白いですね。
こういうことからも
お盆のご供養には仏教とはまったく別の、地域の風習や人々の深い思いが、その土地土地で独自にはぐくまれてきたもの
だということがよくわかります。
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