働き方改革で残業時間も給与も減ったら生活できない?問題はそこじゃなくて。

フリーアドレスで和気あいあい
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2019年4月1日から「働き方改革関連法案」が施行されます。
中小企業については「残業時間の上限」は2020年から、「月60時間を超える残業代の割増率(25%→50%)」は2023年からですが、各界で始まっている「働き方改革」、誰のため、何のための改革かわからないという声も多いようで。
あなたの職場ではどうですか?

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「働き方改革」ってそもそも何??

「一億総活躍社会」。

「一億総活躍社会」とは、「少子高齢化が進む日本で、50年後も人口1億を維持し、地域・家庭・職場で誰もが皆活躍できる社会」。

安倍首相の掲げたスローガンのもと、働き方の見直しが必要だ、ってことになって、ひと言で言えば「昭和の時代のモーレツな働き方に合わせた社会の仕組み」を改めて、老若男女誰でも働く意欲のある人が気持ちよく働けるしくみを作りましょうよ、というのが「働き方改革」の基本テーマです。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
首相官邸のホームページ:http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html

国の目的は、「労働人口の増加」と「生産性の向上」「国力の向上」です。
出来るだけ多くの人が効率よく働き、生産性を上げ、もっと国全体の力をつけましょう、ということなんですよね。

「生産性」といえば、日本の「労働生産性」=労働者一人あたりが生み出す成果や1時間で生み出す成果を指標化したもの は低すぎる!と言われています。

2017年、OECD加盟国36か国では21位、
主要先進国7か国(G7)では47年連続最下位!

ところがこの「労働生産性」は国際社会における騒動生産性であって、企業の労働生産性とは少し違い、企業の労働生産性はむしろ向上していると言う方もいらっしゃいます。

が、いずれにしても
少子高齢化や核家族化、長寿社会は加速度的に進み、「生産年齢人口」の減少は深刻な問題です。

ですが「働き方改革」によって年金受給者でも働く人が増えれば支払う年金は減るし、逆に税収が増えます。
育児や介護などで退職を余儀なくされる人たちが働きたい時間だけ働くことが出来れば、これも労働人口を増やすことができます。

働きたい人が働きたいときに働ける、歳をとっても働ける、身体に障害があっても働けるなど、生活や体調に合わせて働ける社会にすることで労働人口は増加します。

つまり、働けない(働かない)人たちが働けるようにして、余計な残業代や年功序列の昇給などのムダを省いたらもっと「生産性」も「国力」も上がるでしょ、ってことで、そのためには旧態依然とした「働き方」を「改革」して効率化を図らなきゃならない、ってことですよね。

たしかに、生活スタイルの多様化、IT産業界に代表されるモノ、ツールの目覚ましい進歩をみても「古い体質と規則」があらゆる場面で現実とそぐわなくなってきているし、昭和の常識「新卒一斉採用」「終身雇用」「年功序列」は成り立たなくなってきました。

主夫「ママはお仕事だよ」

主夫「ママはお仕事だよ」

今や女性が社会で働くことは必要不可欠であり、女性も「産む性」であっても家庭と仕事を両立させたいと思っているし、人生の目標もあります。

そうした中、近年では「ブラック企業」「過労死」「社畜」などの言葉が一般化するほどに ”雇用される側” の惨状も目立ちます。

「昭和」の時代は、戦後のボロボロな状態から気丈に立ち上がり、高度成長を成し遂げた時代、良くも悪くも日本の全国民が同じ方向を向いていたのだと思います。

「平成」の時代は、昭和で実現した「一億総中流」が、「格差社会」になっちゃった。
人々の目指す方向も多様化し、”雇用する側” と ”雇用される側” の考え方や目指すものに大きな隔たりが出来た時代なのかもしれません。

「働き方改革」は、「一億総活躍社会」を実現するために、まずは「女性活躍推進法」を施行し、「働き方改革関連法案」を成立させました。

2016年に施行された「女性活躍推進法」は、「女性の働きやすい環境づくり」のための法律です。

女性活躍!

女性活躍!

今回(2019年4月1日から)施行される施行される「働き方改革関連法案」は、具体的には労働基準法、労働安全衛生法、労働時間設定改善法、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の改正で、中でも労働基準法改正が注目されています。


残業時間や残業代カットで給料が減る~~

有給休暇の消化を強制される~~

などなど話題になっているのはこの労働基準法の改正ですね。

残業代も生活費?

残業代も生活費?

残業規制で給与が減ると嘆く人がいる一方で、大企業が働き方改革で残業規制した分、下請けに仕事がまわされて残業が増えた、と嘆く下請け企業もあるとか。

残業増えてますけど。

残業増えてますけど。


一般労働者の残業
については

週15時間・月45時間・年360時間という原則は変わりません。
改正前は「36協定」に盛り込む特別条項で上記の残業時間の上限は実質無制限に出来ましたが、改正後は単月100時間・複数月平均80時間・年720時間という上限ができます。
(中小企業は2020年から)
改正前には大企業のみ対象に月60時間を超える残業の賃金割り増し率50%が中小企業にも適用されます。(2023年から)

中小企業には期間の猶予がありますが、違反した場合は6か月以下の懲役または30万円以下の罰則となります。

※新たな技術・商品または役務の研究開発にかかる業務、工作物の建設の事業、自動車の運転の業務、医業に従事する医師などは適用除外となり、別に定めるものもあります。

有休休暇については、

年次有給休暇が年に10日以上付与された従業員について、付与日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させることが義務付けられます。

パートアルバイトにも適用されますので、通常、週5日勤務の場合は継続勤務6か月以上の人は全員対象です。

週所定労働時間が30時間未満の場合は、週4日勤務は勤続3年6か月以上、週3日勤務は勤続5年6か月以上で対象になります。

使用者は、あまり有休休暇を取らない従業員に、1年以内に最低5日の有休をとらせるために時季を指定できる(しなければいけない)、というのです。

なんだか残業規制や有休休暇の消化ばかりがクローズアップされがちですが、もちろん「働き方改革」は早く帰れ、とか休みはちゃんと取ってくれ、ばかりを言っているのではありません。
問題はそこじゃないと思います。

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企業が目指す「働き方改革」と、個人が目指す「働き方改革」

「働き方改革」で、色々な企業が何に取り組んでいるか、最近よく聞くようになったことがたくさんありますね。

  • 労働時間の是正: ムリ・ムダな残業をなくしたりフレックスタイム、フレキシブルタイムの採用など
  • 正規・非正規雇用の賃金格差の是正:「同一労働同一賃金」の実施など
  • 高齢者の雇用・就労の促進:採用年齢制限・定年制の廃止など
  • テレワーク(時間や場所を固定しない)の導入:在宅勤務、サテライトオフィスの設置など
  • フリーアドレス(「座席」を固定しない)の導入:社内、部署内、チーム内で自由に座る、省スペースにもつながる
  • WEB会議、ビジネスチャット:障害者にもメリットがあり、時間、経費の削減にもなる

並べてみるとスゴイ、素晴らしいと思いますが、良いことばかりでもありませんよね。

大企業にしか出来ないことばかりじゃない? みんながみんなキレイなオフィスで働いているわけでもないし。

同一労働同一賃金ったって、正規と非正規では責任の大きさ・重さが違うのよ。

残業規制という言い訳で、顧客に「対応は明日になります」って、出来ません、そんなこと。

一次産業(生産)二次産業(製造)にはあんまり関係ないんじゃないの、実際?

色々思いますよね。

でも、これはもう、ひとり一人が「自分の働き方改革」をしっかり考えないといけない時が来たのですよね。

企業は「働き方改革」によって経費削減、適材適所、仕事や人の効率化が進む半面、同じくらいかそれ以上にコストアップ、人事管理の煩雑化、対顧客対策など問題は山ほどあります。

従業員や働く側も、残業代や賞与は生活費の一部、といった考え方を改めないと人生計画が狂います。
収入減になるなら副業を持つとか、技の道に生きるとか、転職を考えることも必要かもしれません。

一次産業、二次産業においても、大企業のすんごいビルの会社と同じことは出来なくても、都会と田舎の差はもはや問題でないとすれば人材確保の道も開けるでしょう。

良くも悪くも、ボーっと生きてんじゃねぇ 時代になりました。

それにしても我が身にとっても、本当に「働き方改革」が進んでくれたらいいなぁ と思う今日この頃です。

だって、どんなに短く見積もったって、私の人生あと25年はあると思うんですよ。
働きたい意欲はまだまだあるし、今だって30代に負けない仕事はしています(と思います)。

でも、確実に1年にひとつ歳をとります。
100%去年と同じ働き方は出来ないことを実感しています。

おまけに親はどんどんヨレヨレしてきています。
私が歳をとるスピードより速く。

今はまだ大丈夫だけど、突然、来月から介護が必要になるかもしれません。
そしたら週5のフルタイム勤務はとうていムリです。
そうは言っても働けるうちは働かないと、経済的にもちません。

働けるうちは出来るだけ働く、やらなきゃならない自分の仕事がある、ということは生きる糧にもなるんです。

介護のために自分の人生すべてを犠牲にしてしまったら、私がダメになってしまうでしょう。

大企業にしか出来ないこと、大企業なら出来ることは大企業にどんどんやってもらって、中小企業、極小企業で出来ることも少しづつやってもらって、日本全体、働きたい人が働ける社会になったら本当にうれしいです。

ただ、政治家の皆さんにはお願いがあります。

働ける者は働け、とお尻を叩くばかりでなく、子供を産みやすい社会、子供がすくすく育つ社会、男も女もマイノリティも、ちゃんと自分の居場所が持てる社会を、本当に真剣に考え、迅速に行動して下さい。

消費税増税も、入管法改正も、弱い国民いじめにならないように考えて下さい!

5月には新元号に変わります。
新しい時代が来ます。

日本は何を目指し、どこへ向かうのか、ちょっと不安になる平成の終わりです。

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