ALSのれいわ舩後(ふなご)さん木村さん参議院議員で、国会と日本は変われるのか?

「れいわ新選組」の舩後靖彦参院議員と木村英子参院議員が初登院した臨時国会が閉会しました。
参院は約70万円かけて本会議場のバリアフリー化工事を行いました。
難病や重度障害のある人が国会議員になったという日本史上初の出来事は、今まで皆が考えもしなかった様々なことを考えるきっかけとなりました。

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重度障害者を国会議員にしたのは誰?

24時間介護の必要な難病患者と重度障害のある人が国会議員になるなんて、誰が想像したでしょう?

山本太郎氏は参院選の「特定枠」を ”活用” してこの二人を国会に送り込むことに成功しました。

この特定枠、そもそもは「合区」で減ってしまった人数を補完するという、いわば自民党のための救済手段だったわけで。

人口の少ない鳥取県と島根県、徳島県と高知県をそれぞれ1選挙区にする「合区」。

それでは立候補できない現職が2人出来ちゃうじゃないか、というところを、大丈夫ですよ、「特定枠」というのを設けて比例区の党内競争を避けて当選出来るようにしますから、ってことで設けられたのです。

今回の参院選から出来たこの「特定枠」、利用したのは自民党とれいわ新選組。

れいわ新選組の特定枠については悪用だとか乱用だとか言う人もいますが、それはちょっと違うと思いますね。

たくみに ”活用” したそのウラには深慮遠謀があったのかな、とは思いますけど禁じ手ではない。

山本太郎氏にはかなり強力なブレーンがついているとも言われますが、これは見事な作戦だったと言わざるを得ないでしょう。

いくら山本太郎氏の強烈な演説が注目を集め、重度障害者が立候補した といっても話題性だけではお二人が当選することはあり得なかったはずです。

「特定枠」は結果、自民党のためではなくれいわ新選組のためにこそ役立つ制度となりました。

自民党は しまった! と思った。かな?

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重度障害者が国会議員になったらダメなの?

巷間にあふれる賛否両論、喧々諤々。

健常者だって大変な国会議員が重度障害者に務まるの?

障害者を政治利用するな

重度障害者国会議員が登壇するのは迷惑行為だ

などなど、批判する声は多いです。

もちろん、賛成や応援する声も多いです。

コメントは、障害のあるなしや身近に障害のある方がいるいないにかかわらず多数寄せられています。

障害者芸人・ホーキング青山さんは、お二人がどこまで活躍できるかわからない、山本太郎氏がどこまで障害者を理解しているのかもわからない、介護費用の参院負担についてなど様々な疑問を投げかけていらっしゃいます。

賛成も反対も炎上するほどたくさん寄せられる、これこそが重度障害者が国会議員になった最初の ”効果” ではないかと思うのです。

今まで考えもしなかったこと、あり得ないことが目の前で起きて初めて身近なこととして考えるのが人の常です。

重度障害のある方を実際に見たことすらない人が国会にもたくさんいらっしゃるでしょう。

でも、いつの時代も、どこにでも、障害のある方はたくさんいらっしゃいます。

見た目にはわからない障害もたくさんあります。

健常者(という言い方も好きではありませんが)だけが世の中を動かしているのではありません。

船後 靖彦氏と木村 英子氏は、もしかしたら十分に活動できないかもしれません。

もしかしたら、状態がもっと悪化してしまうかもしれません。

もしかしたら、もしかしたら命にかかわることになってしまうかもしれません。

お二人は、批判も非難も命の危険も、百も承知で、まさに命がけで立候補したと思います。

国会議員が務まるかという前に、全国的にその姿が映し出されることだけでもどんなにか勇気の要ることだっただろうと私などは思ってしまいます。

まして女性である木村英子さんのお気持ちはいかばかりかと、余計な心配をしてしまいます。

でも持てる勇気のすべてを振り絞って、お二人は立った。

と思いますし、少なくともお二人には健常者と同じように立候補する権利はあったはずです。

批判するのは簡単ですが、お二人は法律で決められた国政選挙で正当に当選しました。

まずは政治家の方々がどうお二人をフォローし、国会議員として力を発揮できるように支えてゆくのか?

それはこの国がどう変わるかということとイコールだと思います。

私はそこを応援したいと思います。

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参議院が介護サービス費用を負担するのはダメなの?

船後 靖彦氏と木村 英子氏のこれまでの介護は、「障害者総合支援法」による障害福祉サービスを受けていましたが、厚生労働省の運用ルールではもっぱら自宅利用が対象であり、仕事や学業での利用を認めていないのです。

このため、国会に登院することはもちろん、政治家として活動する上での介護費用は自己負担となります。

木村英子氏は、24時間必要な介護の費用は相当に高額となり、この費用が捻出できない、とおっしゃっていましたね。

そこで参議院は、お二人の介護費用を参議院で負担することを決めました。

参議院が負担する根拠は「合理的配慮」にあると思われます。

「合理的配慮」とは正式名称を「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことで、簡単に言うと、”障害のある人もない人も差別なく共生するために理解し合い助け合う社会にしましょう” という内容の法律です。

ところがこの法律、職場では事業主がそれを率先して考えてね、ということになっているようです。

お二人は参議院に ”雇用” されているわけではないけれど、参議院としては「合理的配慮」をしたということではないかと思います。

厚労省障害福祉課の話

「個人の経済活動にあたる就労での支援を公費で負担すべきではないという議論があるし、福祉(厚労省)と教育(文部科学省)の役割分担をどう考えるのかという議論もある」

「障害者差別解消法では差別を解消するために『合理的配慮』が求められており、その配慮は、障害者が働く職場の事業主や教育機関が行うべきだと考えられている。現状では、雇用者や教育機関が合理的配慮をするべきだ、と整理している」

れいわ新選組の山本太郎代表は参議院が費用負担することに反対しています。

こうした前例を作れば、”合理的配慮は障害者が働く職場の事業主が行うべき” がまかり通ってしまって、大金持ちの企業しか障害者を雇うことは出来なくなる” との懸念からのようです。

確かに、障害者を雇用することは大変なことです。

その上多額のお金がかかるとなったら誰が採用しようと思うでしょうか。

今でさえ、障害者の雇用人数を水増しして補助金を搾取することはあってもきちんと障害者を雇用することが少ない状況です。

厚生労働省は要するに、余計なお金を出したくないのです。

経済活動上、人件費は「コスト」とされます。

しかし高齢者や障害者が ”健常者と同じようにその人らしく生きる” ためにかかる費用は「コスト」でしょうか。

『合理的配慮』は、ひたすら ”最低限生きるため” だけを助成し、働くことや趣味(活き活きと生きるための大事な要素)には手を差し伸べないのです。

「障害者総合支援法」や「障害者差別解消法」「介護保険法」などの法律は、”最低限生きるため” のサービスに自己負担を求める一方、”働くため” を対象外にする、これでどうやって自己負担を捻出しろと言うのでしょうか。

しかし、即座に法律を変えることは出来ません。

今回の参議院負担はとりあえず当面の措置としては仕方ないかな、という気はします。

船後靖彦氏と木村英子氏が国会に初登院する前の記者会見で、木村英子氏が介護サービス費用が自己負担になると国会に登院できません、とおっしゃったことについて、「甘えるな」「高額な所得を得るんだから払えるだろ」という声が少なからず上がりました。

実際、国会議員となったお二人の報酬はそれぞれ2千万程度になるのでしょうが、出るものも多いはず。

また、議員の報酬で払えたとしても、それはまた別の問題ですよね。

障害者が仕事をしたいと思ったら介護費用の自己負担は国会議員にでもならないとムリ、ってことになるんじゃないでしょうか?

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みんなが考え始めるならきっかけは何でも良い?

今回の参院選、山本太郎代表は落選しました。

落選することが前提だったと思いますが、ご本人は 「一緒に受かるつもりだった(笑)」 とおっしゃっています。

参院選は、山本太郎氏とれいわ新選組が際立って注目を集めたことは間違いありません。

舞台の盛り上げ方を熟知する俳優だったから?

演出や演説がうまかったから?

重度障害者というインパクトが強烈だったから?

どれも間違ってはいませんが、それらは要素のひとつに過ぎず、やはり彼の言うことにバツグンの訴求力があったのだと思います。

実際に彼のブログれいわ新選組のホームページYouTube などを読んだり聞いたりすると、いやぁホントにそうだよなぁ!と感動すら覚えます。

他党の立候補者が相変わらず「勝たせて下さい!」「1票下さい!」と名前を連呼するばかりな中、彼の街頭演説は大いに盛り上がりました。

れいわ新選組は、何が悪くてどこをどうしたい!! という ”政策” が明確でした。

バカの一つ覚えみたいに名前を連呼し、どこの誰で何をしたいのか、何党の味方なのかすらハッキリしない人に ”訴求力” なんてありませんから。

山本太郎は役者だからな、なんて言って問題を棚上げしてないで、今の選挙制度と選挙のスタイルをガラガラポンして作り直したほうが良いですよ。

山本太郎氏ご本人が「れいわ新選組が、重度障害者を国会に送り込んだ理由」で色々なことをおっしゃっていますが、いちいちなるほどねと思ってしまう力強さがあります。

山本太郎氏は中核派だ、共産主義者だと言う ”識者” もいらっしゃいます。

なにやらキケンな香りがするのも確かです。

しかしたとえ危険分子だとしても、今やるべきこと、日本全体で真剣に考えなきゃならないことをおっしゃっているのも確かです。

  • 消費税は廃止
  • 初期費用なし、安い家賃
  • 奨学金チャラ
  • 最低賃金1500円
  • 公務員を増やせ
  • 原発即時禁止
  • 障がい者への「合理的配慮」を徹底
  • 障がい者福祉と介護保険の見直し
  • 児童相談所問題

などなど(政策の詳細はHPを参照)、誰もが日常的に思うことばかりじゃないですか?

そしてこれらは実現可能なことばかりです。

難問ではなく、実はシンプルな問題ばかりです。

今まで、これほどハッキリと大声でこれらの問題を訴えた人がいたでしょうか?

既存政党はなぜこれが出来ないのか。

国民には見えない(見せない)大きな力や既得権者が問題をすり替え、論点をずらして政治を操り、今日まで来たのでしょう。

こういう、身近だけど ”権力者” が捻じ曲げて複雑にしている問題を1つ1つ解きほぐし、”見える化” するには正攻法ではダメだと思います。

山本太郎氏や「れいわ新選組」、「N国」の立花孝志氏は既成政党や既存の政治家では口が裂けても言えないことを大声で拡散した。

このことの重要さは理解しないといけないと思います。

重度障害者の当選、「れいわ新選組」や「N国」の政党要件獲得は、その第1歩となりました。

その道の専門家が議論の真ん中にいてこそ本当の議論が出来る、と信じたいです。

”障害”を知る専門家。

”NHKの非常識” を知る専門家。

国士たる国会議員が、国を大切に思う国民が大勢いるなら、危険分子に乗っ取られることはないはず、と信じたいです。

臨時国会は特に審議もなく閉会しました。

秋の臨時国会はちゃんと審議もあり、今回のようにはいきません。

船後靖彦参議院議員と木村英子参議院議員のご活躍を願うばかりです。

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