蓮は仏教の中で最高位の植物、蓮と睡蓮の総称が「蓮華」です

蓮の葉のロータス効果
蓮の葉のロータス効果

仏教を象徴する蓮-
蓮(はす)と睡蓮(すいれん)を総称して蓮華(れんげ)といいますが
この名称は仏教とともに伝来し、長く使われています。

蓮と睡蓮はよく似ていますが、まったく別のものです。
日本の仏教では睡蓮は特に蓮を指すものとして定着したようです。
蓮は、当然お盆には欠かせないアイテムです。

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お盆のお供え物は蓮の葉を器に

仏教の中で最高位にある植物ですが、その由来は

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」
泥から生え、泥に染まらず気高く咲く花、
まっすぐに大きく広がり水を弾く凛とした葉の姿は、
俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴のようにとらえられ、
仏教を象徴する浄土信仰の花となったのです。

基本的に
仏様にお供えする物は蓮の葉にのせるもの
としているところもあります。

蓮の葉をまったく使わない、というところもあります。

家々のやりかたに沿って、使えるところには使いましょう、
というくらいで良いでしょう。

一般的に
水の子を盛ったり、
お供え物の器にしたり
精霊馬をのせたり
という具合に、
お供え物の中で何に蓮の葉を使うか、だいたい決まっている
というお宅が多いのではないでしょうか。

蓮の葉の表を上にして使う、裏を上にして使う
などもその土地、その家で違います。

我が家は
蓮の葉は表を上にして
水気(汁け)のないお供え物を盛り付け、
蓮の花は仏花とともに活けます。

蓮の葉はとにかく何にでもお使いになって良いのですが、
なかなかイキの良いものが手に入らなかったり
すぐにしおれてしまったりしますので
里芋の葉や蕗(ふき)の葉で代用したりします。

夏の暑い盛りですから
どれでも 生の物はしおれたりちじれたりしてしまいますね。
ちょっとカワイソウな姿になったらはずしてしまいます。

また、お盆の時期には真菰(まこも)や
精霊馬、お供えセットなどとともに 作りものの
(造花、紙、合成繊維など)の蓮の葉がたくさん
出てきますし、蓮をかたどった食器も良いですね。

蓮の葉は食べられますーお盆のお料理にもー

お供え物をのせるほか、
蓮の葉で包んだおこわや
蓮の葉を蒸したり塩茹でにし、
細かく刻んで混ぜ込んだ蓮飯、蓮粥など
地方によってさまざまなお料理やお供えの仕方があります。

関西では「しらむし」という、蓮の葉で包んだおこわが
あるそうです。
もち米のみの白いおこわでほんのりと塩味がついていて
美味しいとのことです。

黒豆が入ることもあるそうです。
湯気とともに立ち上る蓮の葉の香りがとてもよく、
蓮の葉を食べると血行が良くなる効果もあるのだそうです。

蓮と睡蓮は似て非なるもの

蓮と睡蓮を総称して蓮華と言ったりしますので混同されがちですが、

蓮と睡蓮はDNAの違うまったく別のものです。
蓮は蓮科(Nelumbonaceae)蓮属(Nelumbo)、
睡蓮は睡蓮科(Nymphaea-ceae)睡蓮属(Nymphaea)
です。

花の造りも葉の造りも違います。

蓮の花は紅色・白色の花の東洋産種と、黄色の花のアメリカ産種
基本はこの2種類です。

近年の新品種開発でその種類は増え続けているようですが
今現在、間違っても青系の花はないそうで、
変わった色のものはおそらく睡蓮の仲間でしょう。

蓮の葉は緑一色、円形で切れ込みはありません

睡蓮の葉は斑(ふ)の入ったものや色の付いたものなどあり、
形は円形でも一箇所、深い切れ込みが入ります。

蓮の地下茎はレンコンといい、食用になりますが
睡蓮にはレンコンはできません。
蓮の葉は水面から出て立っている(立ち葉)、
睡蓮の葉は水面に浮いている(浮き葉)、として
違いを述べているところもありますが、半分マチガイです。

蓮の成長過程で浮き葉の状態のときがあるからです。
花芽を持つ立ち葉を最良の状態で育てる過程なのです。
睡蓮に立ち葉がないのは正しいです。

蓮のスゴイところ

ロータス効果
蓮は英語で lotus です。
この、蓮が持つ特有の性質がすごい!ので、
人間がこれをお手本に色々と開発を進めています。

ハスの葉はその微細構造と表面の化学的特性により、決して濡れることがない。葉の表面についた水は表面張力によって水銀のように丸まって水滴となり、泥や、小さい昆虫や、その他の異物を絡め取りながら転がり落ちる。この現象がロータス効果として知られる。
Wikipediaより )

この蓮のスゴイ特徴に着目して、
ナノテクノロジーの分野では塗料や建材、布など、
表面にロータス効果を再現し、それを維持できる方法の開発が行われています。
またサトイモ(里芋)の葉にも同様の効果が見られます。


因果同時

蓮は花と実が同時になるので
仏教でいう「因果同時」、「因果倶時」に通じるとされています。
「因果一如(いんがいちにょ)」ともいいます。
原因と結果が同時に備わっている、ということです。

「現在の果を知らんと欲すれば過去の因を見よ。
未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ。」
つまり、
現在の自分は過去の積み重ねの中にあり、
将来の自分は今、現在の行動の延長にある。
だから今を大切に生きよということだと思います。

花と実が同時になるのは、特に蓮の花に限ったことではなく、
いってみればすべての植物は花と実が同時だということを
聞いたことがあります。

花が咲く時にはその奥に実になる部分が出来ていて、
たまたま蓮はそれが目立つだけだと。

がしかし!
されど、しかし!!
目立つ=はっきりしている
これが蓮のすごいところではないでしょうか?

捨てるところがナイ
食用、薬用、観賞用としてすべての恵みをいただくことが出来ます。
地下茎 レンコン(蓮根)
お盆のお供え、食用(蓮葉飯、蓮葉粥など)
実(種) 若い緑色の花托が生食に向き、花托を手で破いて実を
取り出す、生のトウモロコシに似た食感。
甘納豆や汁粉などにすることも。
中国の月餅、蓮蓉包などの菓子に加工される。
実の芯の部分は苦いが、この部分は蓮芯茶になる。
蓮肉(れんにく)という生薬は鎮静、滋養強壮作用がある。
ベトナム(蓮が国花)では、雄しべで茶葉に香り付けし
花茶の一種である蓮茶として飲用。
食用。和え物、煮物、サラダなど。
茎の表皮を細かく裂いて作る茄絲(かし)という糸、
茎の内部から引き出した繊維で作る藕絲(ぐうし)という糸
どちらも布に織り上げるなど利用される。

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驚異の生命力
蓮の実の皮はとても厚く、土の中で発芽能力を長期間保つことができます。
千葉市の遺跡で発掘され、発芽させることに成功した蓮の実は
2000年前の弥生時代後期のものと推定されました(大賀ハス)。
同様に大昔の蓮の実が発芽したとして、中尊寺ハス、行田ハスが有名です。
太古の昔から人々とともにあった蓮
蓮の原産地はインドですが、日本でも太古の昔から蓮は存在し
一番古くは縄文時代にその痕跡があります。

蓮を詠んだ日本最古の和歌は万葉集にあります。
切ない恋の詩です。
み佩(は)かしを 剣(つるぎ)の池の 蓮(はち)葉(すば)に
溜まれる水の 行くへなみ我(あ)がする時に逢ふべしと
逢ひたる君を な寝(い)ねそと 母聞こせども
我(あ)が心 清(きよ)隅(すみ)の池の池の底
我(あれ)は忘れじ 直(ただ)に逢ふまでに(作者未詳)

古今集には
はちす葉の 濁りに染まぬ 心もて 何かは露を 玉とあざむく
枕草子にも
・・・ハス葉、よろずの草より優れてめでたし・・・とあります。

昭和天皇は闘病生活の中で
夏たけて堀のはちすの花見つつ仏の教え憶う朝かな
と詠みました。

宗教・宗派によって違う蓮の扱い??

日本人にとって
蓮という植物が桜と同じくらい特別なもので
日本の仏教においては格別な地位にあるもの
であることは間違いないことですが
各宗教・宗派によって使われる経典も違えば教えも違います。

蓮の扱い?(位置づけ?)にもニュアンスの違いがあるというか、
共通しているのは蓮(蓮華)は信仰の象徴である、ということ
くらいかな・・・と思います。

例えば、浄土真宗には親鸞聖人が説いた「蓮華の五徳」
ありますが、少なくとも臨済宗(特定の経典はない)には
そのようなお話は見当たりませんでした。

いずれにしても
蓮の葉や蓮の花をお盆にお供えすることは
ご先祖様がお喜び下さることだろうな、と思うわけです。
イキの良い蓮の葉が手に入ったらぜひ、
故人のお好きだったものをのせてお供えして差し上げて下さい。

参考:蓮華の五徳
1.淤泥不染の徳(おでいふぜんのとく)
泥より華を出すけれど、蓮の華は泥に染まらず浄く咲く。
2.一茎一花の徳(いっけいいっかのとく)
一つの茎に一つの華をつける。
3.花果同時の徳(かかどうじのとく)
花が散って実をつけるのではなく、華と同時に実をつける
4.一花多果の徳(いっかたかのとく)
一つの花から多くの種がとれる。
5.中虚外直の徳(ちゅうこげちょくのとく)
蓮の種は腐らず、年月が経っても条件が合えば芽を出す。

蓮の柄です。こんな浴衣、お盆に着たら良いでしょうねぇ・・

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