ミソサザイ:スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属に分類される鳥類の1種。
全長が約11 cm、翼開長が約16 cm。体重7-13g。
和名のサザイは、古くは「小さい鳥」を指す「さざき」が転じた。
日本の野鳥の中でも、キクイタダキと共に最小種のひとつ。
早春の2月くらいから囀り始める習性があり、平地や里山などでも2月頃に
その美しい囀りを耳にすることができる。
(Wikipediaより)
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播磨 (現 兵庫県西部あたり)に伝わるお話。
むかしむかし大昔、色々な鷹の仲間が集まって
酒盛りをしていました。
我こそは鳥の王者だと言ってはばからない鷹が大勢集まって
飲めや歌えのおおさわぎです。
賑やかな声に誘われて、ちいさなミソサザイが様子を見に
やってきました。
「楽しそうだなぁ! ご馳走もたくさんあるぞ。
ボクも仲間に入れてくれないかなぁ!
よし、ちょっと頼んでみようっと。」
「やぁみなさん、にぎやかですねぇ。
ボクもちょっと、仲間に入れてもらえないッスかね?」
すると鷹たちは一瞬きょとんとして、それから大笑い。
「なんだ?おめぇ。 またずいぶんとちっこいなぁ!
え? オレ達の仲間にしてくれってか?
いや、こりゃいいや、あっはっはっは~~」
涙を流しておなかを抱えて笑っています。
ちょっとカチンときたミソサザイ。
ずんずんと大将と思しき鷹に近づくと、
「どうしたら仲間に入れてもらえるのさ?」
と聞きました。
大将は笑いながら
「はー、はー、あ~ハラ痛ぇ・・・ あ~~まいったなこりゃ。
・・・ぁあ? 仲間? 」
「そうだなぁ。
そんなに仲間に入りたいんだったら、猪を捕って来い。
そうしたら喜んで仲間に入れてやるよ。
まぁ、そんなにちっこいおまえに、猪は無理だろうなぁ。」
ミソサザイは猪と聞いてちょっとビビリましたが、
すぐに勇ましい顔になって
「わかった! 捕まえてくる!」
と言うが早いか飛び出して行きました。
ミソサザイが猪のいる山に向かって飛んで行くと
藪の中で寝ている猪を見つけ、耳の中に入り込みました。
「いてっ! いてててててっ!
な、なんだ? ひぃ~~!助けて~~」
寝込みを襲われ耳の中で暴れるのがミソサザイとは知らず。
どう転がっても出てこない、取り出そうにも足は耳に届かない、
辛抱たまらずあちこちにぶつかりながら苦しむ猪。
とうとう大きな岩にどんっ!と激突して死んでしまいました。
ミソサザイは大威張りで鷹たちのところへ戻ると
猪退治を報告し、大将を猪のところへ連れてきました。
「仲間に入れてくれる?」
「う・・・む。
こいつは小さいが知恵がある、おそろしいヤツだ。
仲間にするしかないだろう」
大将は、付いてきた仲間と相談し、
ミソサザイを仲間に加えることにしました。
するとその時、ひときわ大きな 熊鷹 が負けん気を出し
「調子に乗るなよ、いいか、鷹の力がどれほどのものかを
見せてやる」
よせばいいのに触発されて飛び立ちました。
運が良いのか悪いのか、
ちょうど熊鷹の眼下に2匹の猪が連れ立って歩いています。
熊鷹はまっしぐらに急降下すると右と左の足に1匹ずつひっかけた!
2匹の猪が驚いたのなんのって、そりゃもうびっくりして
暴れるけれど熊鷹は離すもんかと力を込めると
2匹がそれぞれ反対方向に猛スピードで走り出したからさあ大変!
余計な見栄とプライドでいらんことをした熊鷹は
足の付け根から二つに裂けて死んでしまいましたとさ。
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このお話には岩手に別バージョンがあって、
つまんないつまんないと愚痴をこぼすミソサザイが
鳥仲間と「ご馳走をし合おう」ということになり
猪の耳の中に入って仕留め、豪勢なご馳走をして、
それに対抗した「荒鷲」が一度に2匹の猪を仕留めようと
両足に掛けたが仕留められず大怪我をした
というお話になっています。
ミソサザイは 鷦鷯 と書きます。
全長11cmほどの、スズメより小さな茶色い鳥です。
ここのブログさんにミソサザイの可愛い写真がたくさんあります。
日本全国に分布しているそうですが、
カラスや百舌のように街中ではほとんど見かけませんね。
自然の中にいるのが好きなようです。
日本でも最も小さな鳥の一種で、小さなからだに似合わず
高い大きな声で鳴きます。
その小ささからか、日本だけでなく世界にもミソサザイの
お話があります。
グリム童話ではクマとミソサザイがたたかい、
スコットランド民話ではどちらが高く飛べるか、鷲と競争します。
小さい者が大きくて強いものを倒す!
気持ちいいですよね。
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