新嘗祭(にいなめさい) は日本の重要な宮中祭祀、五穀の収穫を祝う祭典

明治神宮内拝殿
明治神宮内拝殿

毎年11月23日、「新嘗祭」という宮中祭祀があります。
日本書紀にも登場するほど太古の昔から行われている収穫祭です。
今なお最も重要な宮中祭祀として残るほど大切な行事です。

収穫を祝うとともに国民の労をねぎらい明治6年に祭日とされ
第二次大戦後、アメリカのGHQが神道と結びついた天皇行事と
切り離す形で「勤労感謝の日」と改められました。

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新嘗祭の始まりと歴史

新嘗祭(にいなめさい)しんじょうさい とも読みます。

宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)は、
天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的におこなう祭祀。
皇居宮中三殿で行われる祭祀には、天皇が自ら祭典を斎行し、
御告文を奏上する大祭と、掌典長(掌典職)らが祭典を行い、
天皇が拝礼する小祭がある
(Wikipediaより)

農耕民族の日本人は、ずっと古い時代から五穀の収穫を祝う風習が
ありました。

新嘗祭の起源は飛鳥時代の皇極天皇(こうぎょくてんのう)の時代
(642年~645年)に始まったとされています。

その後しばらく中断する時期もあり、毎年行われるようになったのは
江戸時代・元禄(1688年~1704年)の東山天皇とされ、以降
現在まで続いているとのことです。

新嘗祭が始まった頃、天皇家は「朝廷」として政(まつりごと・政治)
を行っていましたが、天皇自ら五穀の収穫を感謝し祝い事を行うとは、
それほどにその年の収穫は国家のこれから先1年を生きる大事なこと
だったのですよね。

食べることは、生きること。

農耕民族であれば、食物を育て豊かな収穫を得ることが命の源です。

宮中祭祀は、天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に
行なう祭祀です。

天皇が国家の長として最重要な祭祀を執り行うことは至極当然のこと
だったでしょう。

新嘗祭って、どんなことをするの?

宮内庁ホームページによれば

天皇陛下が,神嘉殿において新穀を皇祖はじめ神々にお供えに
なって,神恩を感謝された後,陛下自らもお召し上がりになる祭典。
宮中恒例祭典の中の最も重要なもの。
天皇陛下自らご栽培になった新穀もお供えになる。

とのことです。

宮中祭祀は皇居の「宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)」で
行いますが、新嘗祭は宮中三殿の近くにある神嘉殿にて行うのです。

新嘗祭は皇居で行われるほか、日本全国の神社でも重要な祭祀として行われます。

出雲大社、伊勢神宮、明治神宮などが有名です。

(神社によっては11月23日とは限らないようです)

東京・原宿の明治神宮は日本一初詣に訪れる人が多いことで
知られます。

新嘗祭は内拝殿で行われます。(冒頭の写真)

内拝殿は、南神門をくぐって外拝殿を過ぎ、その奥に位置します。
一般の参拝者は外拝殿からこの様子を見ることができますが、
内拝殿は招待された人のみで、椅子席を用意されます。

南神門の両脇には、各地から奉納された収穫物、樽酒、加工品や
野菜を積み上げた宝船などがずらりと並びます。

奉納・酒樽

奉納・酒樽

奉納・宝船

奉納・宝船

奉納・生産物

奉納・生産物

新嘗祭はまず、奉納されたその年の農産物、水産物が大きなお三方に
美しく盛られ、その年の新穀から作った、米・粟のご飯と粥(かゆ)、
白酒(しろき)、黒酒(くろき)などとともに供えられます。

内拝殿に通された参拝者もお祓いを受けた後は、それはそれは雅で
美しい着物の巫女による「代々木の舞」が披露されます。

代々木の舞

代々木の舞

雅で美しいながらも華美でなく、終始厳かな空気感は、平安の世に
タイムスリップしたかのようです。

明治神宮ではまた、新嘗祭と同時に「農林水産式典」が催されます。

「農林水産式典」は、
全国各地の生産者のコンクールで農林水産大臣賞などを受賞した団体
の中からさらに、
天皇杯受賞者、内閣総理大臣賞受賞者、日本農林漁業振興会会長賞の
三賞を決定する祭典です。

農林水産式典

農林水産式典

全国各地の生産者のコンクールの受賞者は、
農林水産式典の出席と、新嘗祭へも招待され、内拝殿に通されるのです。

自給自足の農耕民族だったと、あらためて思うような祭典

実は、私は数年前、農林水産大臣賞を受賞されたある農家さんの
お手伝いをした関係で、この新嘗祭に招待された農家の一員として
実際に内拝殿でこの新嘗祭をナマで見るという、
人生で2度とはないであろう貴重な体験をさせていただきました。

そこには、懸命に仕事に取り組む人々がたくさんいらっしゃいました。

誇りをもって、こだわりを持って
よりよいものを作ろう、美味しいと言ってもらおう、
誰もが豊かに幸せに生きてほしいと願って命をかけて取り組む人々。

四方を海に囲まれた小さな国、日本。
農耕民族、農業国であるという言葉の中には水産業も林業も入ります。

自然の恵みをいただいて生きる人間。
私たちのご先祖様は 自然を慈しみ、自然と共に生きて来たはずなのに。

”人間様”になってはいけないのだと。

自然は命の源であることを思い出さなくちゃ。

そんなことを思った新嘗祭なのでした。

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