お正月が近づくと年神様は恵方から我が家へやってきます。
その年、年神様のいる方向が「恵方」で、ちゃんと我が家に入っていただくために目印として門松を立てます。
年神様は鏡餅に宿りますので、そのお餅をいただくことで神様のパワーをいただきます。
年長者から目下の者に神様のパワー餅を分けたのが元祖お年玉です。
年神様は神道で言う「神様」ですが、その家々の祖先を指すということも含んでいます。
年神様は家々によって違うのです。
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年神様って、どんな神様??
年神様(としがみさま)。
歳徳神(としとくじん)、大年神(おおとしがみ、大歳神とも)、お正月様(おしょうがつさま)とも呼びます。
その年の幸せを運んでくれる神様です。
そもそも、年神様って、どんな神様なんでしょう?
謎だらけです。
でも、正しい答えはありません。
その家々で、その家の神様だと信じている神様が年神様です。
は?
意味分かんないし。
と思ったあなたは、ご実家に聞いてみると良いと思います。
わからなかったり、それは違うな、と思ったら
あらためてご自分の家の神様を決めれば良いのです。
決めなくても良いです。
え?
ますます分かんないし。
ですよね。
日本は、太古の昔から森羅万象すべてのものに神は宿ると信じてきました。
八百万の神(やおよろずのかみ)が存在する民族です。
山には山の神があり、川には川の神、海にも木々にも神は宿ります。
農家であれば田の神様が、
天皇家には天照大御神が、
商売をしていれば福の神が、
その土地の氏神様を祀っている家もあれば
恵比寿様や大黒様を年神様としてお祀りする家もあります。
そしてそれぞれの家の事情や歴史をよく知った上で、その家にふさわしくお守りしてくれるのはその一族のご先祖様に他ならないわけで、
年神様とご先祖様は、多分に重なっているのです。
そのあたりをあえて曖昧なままにしておくのが、日本の八百万の神の精神であろうところです。
はっきりしないことは、はっきりさせない。 のが日本人の良いところ。
家の中のいたるところにも神様がいますね。
火の神様、水の神様はもちろん、トイレの神様だっているのです。
いってみればそのすべてが年神様、お正月様となりうるし、それで良いのです。
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年神様はどこから、いつ我が家へやって来るの?
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年神様はいったいどこから、いつやってくるのでしょうか?
年神様は普段は遠いところにいますが、その所在は毎年変わります。
その年の神様のいる場所の方角が「恵方」です。
年神様は恵方からやってくるのです。
恵方は、むかしはいわゆる陰陽師と呼ばれる、陰陽道を用いて運勢・天候・地相などを
占う専門家によって判断され、前の年に発表されたようですが、
恵方で定める4つの方角(甲・庚・丙・壬)と、その年の十干(じっかん=甲・乙・丙・
丁・戊・己・庚・辛・壬・癸=こう おつ へい てい ぼ き こう しん じん き)
によって決まりますので、今は陰陽師がいなくてもわかります。
2018年の恵方は「南南東やや南」、
2019年の恵方は「東北東」だそうです。
恵方は「吉方(えほう)」「明の方(あきのかた)」ともいい、何事も恵方に向かって
すると良いと言われます。
かつては「松迎え」の松も、恵方の山から取ってくるということもあったそうです。
最近では節分の「恵方巻き」が全国区になりましたね。
関東ではほとんど見られない行いでしたが、今や節分といえば恵方巻きなんですね。
年神様をお祀りする神棚は恵方に向かって正面になるように釣るのが通例でしたが、現代では方角もさることながら、年神様専用の神棚を釣る、ということもほとんどないでしょうね。
恵方から来臨する年神様は、どうも除夜(大晦日)の晩頃にはいらっしゃるらしいです。
古い時代、もともと日本人の1日は、日没から日没までとする暮らしがあって、
大晦日の夕飯は年越しの祝いにおせちを食し、この時に年神様の神棚にもお膳とお神酒を差し上げたそうです。
この夜が年神様の訪れる時であり、
年越しの夜は夜通し起きて、一切外出せずに年籠り(としごもり)を守ったのです。
現代では除夜の鐘を打ちに、または聴きに行く、初詣に行くなど日付の変わる頃に出掛けますが、これなどは最近の風潮なのですね。
お正月は1年の始まりであり、一番大きな行事です。
時代とともにその様式や内容は変わっても、
変化しながら守られてきた日本の風習をあらためて振り返るのは、案外大切なことだと
思います。
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